夢の話 1
谷中ボッサの帰りだったか、保光敏将さん、山川直人さんと居酒屋に行った。どんな話の流れだったか忘れてしまったが、若い頃の夢の話になった。
山川さんは、漫画家を目指したとき、「食えない漫画家になりたい」と思ったそうだ。人気の少年誌などで売れっ子になって、大金持ちになるのではなく、好きな漫画を描いて、ぎりぎり生活出来る程度に稼げる漫画家になりたかったと。
そして、いま、やっとそういう漫画家になることが出来た、という意味のことを話した。
自分で道を切り開いた人の言葉で、心からかっこいいなあ、と思った。
ぼくはどんな夢を見ていたのだろう。
さて、中学生くらいのときは、好きなレコード、好きな本、ギターに囲まれて暮らしたいと思ったことがあった。
ああ、それなら実現しているのだけど……。
夢の話 2
いつだったか吉祥寺のトムズボックスの隣にあるアンティック店のご主人Hさんと話をしていて、夢のことが話題になった。
僕のときどき見る夢に、レコード屋の夢がある。そこには自分が欲しいレコードがそろっていて、店の棚を幸福な気持ちで淺っているんです。いつも同じ店で、そこに行く道もよく覚えていて、本当に実在する店でないかと思えるほど。
環状八号線の歩道橋を渡ると、どういうわけかアメ横のようなマーケット街に出て、小さな店をぬって歩いていくと、とつぜん大きなウインドウのレコードショップが現れる……なんていう話をしていると、Hさんもうなずきながら、「ある、ある、そういう夢。ぼくもよく行く店があるよ」という。
ま、それだけの話です。