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2008年 05月 21日
先日、「火垂るの墓」の試写に行ってきた。叔母がこの映画のスクリプターをやっていて招待してくれたのだ。野坂昭如の原作は、ずいぶん昔に読んだけれど、その後アニメ映画になったり、テレビドラマ化された作品は見ていない。アニメは評判が良かったようで、古本屋で買った文庫本の装丁にはアニメが使われている。そういえば、夏休みになると図書館の映写会で、ときどきアニメ版「火垂るの墓」は上映されているようだ。
その人気作品の実写映画化なのだから、きっと夏の邦画では話題の作品になるんだろう。 公開は東京は7月5日(土)より岩波ホール。関西は8月2日(土)より梅田ピカデリー他で。 ストーリーや解説については公式ホームページ(http://hotarunohaka.jp/)にあるので、そちらを見てください。 静かな映画だった。声高に平和を叫ぶのではなく、たんたんと戦争という日常を描いている。主人公の清太少年の目をとおして、国家、戦争という檻に閉じこめられた人々の姿を冷静に見つめる。観た後、清太少年が心のどこかに残っているような感じで、ふとしたときに涙がこぼれそうになる。そんな映画だった。 ぼくは、戦争はもちろん戦後も経験していない。この映画を撮った日向寺太郎監督は、ぼくよりも若い1965年生まれだ。原作者の野坂昭如がコメントを寄せている。 「この映画は、戦争を知らない人たちがつくっている。小説では伝えきれないものを伝えている。少しでも戦争の実態に触れてもらえたら有り難い」 そうなのだ。本当の戦争を知っている人たちが少なくなっている。この映画に関わった人たちで戦争を知っている人は、美術の木村威夫、録音の久保田幸雄、そして叔母ぐらいではないだろうか。戦争を肌で知っている人たちがいるうちに、戦争を映画にしておく必要があるような気がする。CGがどんなに発達しても、当時の空気を再現するのは難しいだろう。そう意味でも、日向寺太郎監督は頑張ったのだろうと思う。急逝した黒木和雄監督の後を引き継いで製作したという。プレッシャーもあっただろうな。いくつか、まるで黒木監督のようだな、と思えるシーンがあった。ぼくは映画については、門外漢だけれど、すごく真摯に撮影しているのが伝わってきたし、映像は美しかった。なによりも映画として楽しめるものだった。 じつは正直言って、試写を観る前は、気が重たかった。きちんとして、いい映画だろうとは思ってはいたけれど、楽しいかどうかは別だから。でも、杞憂でした。エンタテイメントとしても良かったです。それは出演者の演技によるところも大きい。 それにしても主演した吉武怜朗(よしたけれお)、畠山彩奈(はたけやまりな)の達者なこと。妹、節子役の彩奈は5歳だよ。すごいよ、この演技。この二人を観るだけでも価値あり。松坂慶子の怪演ぶりも迫力あるし、なんといっても驚きなのが松田聖子! 最初なんで松田聖子? って思ったけれど、ごめんなさい、元アイドルではなく、なかなかの役者になっていた。 音楽はCastle In The Air。渡辺香津美と谷川公子のユニット。渡辺香津美が映画音楽を担当するのは初めてだそうだ。演奏者に福田進一も加わり、美しいギターの音色、いかにも映画音楽らしい曲だった。FMで流れたら、きっと人気が出そう。でも、曲があまりに語りすぎるというか、饒舌でこの映画の音楽としては、どうだろう? それほど映像の完成度が高かったともいえるのかな。 by kyotakyotak | 2008-05-21 22:55 | 近況報告
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