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2005年 12月 30日
もう今年も押し詰まって、30日。日頃の疲れ(仕事疲れか遊び疲れがわからないが)がたまって、デスクに座っても何もやる気がおきない。おまけに仕事場のあるビルが配水管の故障とかで水を流すなという。尿意を催してもトイレにも行けない。最近、頻尿気味で医者には、年齢を考えるとそろそろ前立腺肥大の検査とマーカーでガンも調べたほうがいいといわれた。あーあ、最悪である。ま、生きてるうちに、聴きたい音楽をたっぷり聴くとしようっと。
今年も乱聴の年だった。気になったものは、できるだけ聴くようにしたので、どれだけCDを買ったかなんて、考えたくもない。子どもの頃、楽器と本とレコードに囲まれて暮らしたいと思っていた。願いは叶った。まさに楽器と本とレコード、CDに埋もれているではないか。もうこれ以上何を望むというのか……。でも、まだ聴きたい音楽はある。欲望とは恐ろしい。除夜の鐘がいくら鳴っても、おいらの煩悩はなくならないのだ。 年末になると決まって音楽雑誌やFMなどの番組で、今年のベスト10といった企画が行われる。だからというわけではないが、個人的に今年のベスト10を挙げてみよう……と思った。ところが、いざやろうとすると、これが出来ない。というのは、日頃、新しく出たアルバムを追いかけてきたわけではなく、ただ気の向いたもの、または中古で安いものを入手していたので、「今年のアルバム」という括り方が出来ない。それに、いつ何を買ってきたのかも、よくわからない。CD乱獲法にひっかかりそうだ。ま、来年は手帳につけておこう。 それでも、せっかくだから、今年、よく聴いたアルバムを挙げてみたい。ナンバーワンは、「It's Easy To Remember」Rebecca Kilgore & John Millerというアルバムだった。1998年のアルバムだから、ずいぶん古いけれど、手に入れたのは昨年ぐらいだったかな。あまりCDショップでは見かけない。ときどき中古盤が出ることがあるけれど。レベッカ・キルゴアというジャズ歌手とジョン・ミラーというアコースティックギタリストのデュエットで「Old Devil Moon」とか「I Remember You」など、おなじみのスタンダードナンバーを聴かせる地味なアルバムだ。 ジョン・ミラーは、カントリー・ブルースのギタリストとして大御所の人。といっても、僕が知ったのはわりと最近で、ジョン・ライシュマンというマンドリン弾きと作った「The Singing Moon」というアルバムをたまたま試聴したからだ。そのアルバムでは、ブラジルのショーロ風のオリジナル曲をやっていて、その洒落た音にすっかりまいってしまった。ほかにも日本で再発されたブルーグース盤のシリーズや、ガーシュインの楽曲集「Biding My Time John Miller Plays George Gershwin」など名盤が多い。ジョン・ミラーはテクニックをひけらかすタイプではなく、歌に寄り添うように、だけれど存在感のあるギターを聴かせてくれる。あー、こんなふうにギターを弾きたいと思う。 レベッカ・キルゴアは「30年代、40年代に作られた素敵な曲を出来るだけたくさん学びたい。それが楽しくてしょうがないの」というぐらい楽曲を大切に歌う人だ。このアルバムでも、スタンダードの名曲をあまりフェイクせずに、ていねいに歌っている。 スタンダードナンバーって、じつに美しいメロディー、コードを持っていて、ギターでアレンジを考えながら弾くのは、ぼくにとっても至福のときだなあ(あまり、うまく弾けないけれど……)。 ぼくの30ギガのアイポッドは、ほとんど満タンだけれど、結局、いつも聴いているのは、「It's Easy To Remember」Rebecca Kilgore & John Millerというわけです。
by kyotakyotak
| 2005-12-30 14:22
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