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2024年 07月 26日
暑い! まだ梅雨明け前というのに連日37℃近くまで気温が上がっている。 まるで熱帯地方の国のような気候のためか、10年近く前に訪れたインドネシアの旅の思い出が蘇ってきた。 ジャワは暑かったけれど、夜になると風が吹いて意外と涼しく気持ちがいい。 ああ、ジャワの風に吹かれたい! 6月28日、29日には「ムジカーサでガムラン2024」というイベントのお手伝いもした。関西を中心に活動している「ハナジョスと仲間たち」がインドネシア・ジャワ島のジョグジャカルタやスラカルタ(ソロ)でジャワの古典芸能を 紹介するイベントだ。インドネシアというとバリ島のガムランやケチャが有名だけれど、ジャワのガムランは穏やかで優雅な響きがあり。「ムジカーサでガムラン2024」では宮廷音楽、舞踊、影絵芝居など100分という短い時間だけれど、ジャワ芸能のエッセンスをぎゅっと詰め込んでいる。初めて見る友人たちにも楽しかったと評判だった。 「ムジカーサでガムラン2024」のサイト (https://sites.google.com/site/yoasobinokokoro/home)にジャワやジャワの芸能についてわかりやすい解説があるので、興味のある方は見てください。 頭の中がインドネシア、ジャワのモードになったところで出会った本が『珈琲の哲学ディー・レスタリ短編集 1995-2005 (インドネシア現代文学選集)』(ディー・レスタリ 著 福武 慎太郎 監修 加藤 ひろあき 西野 恵子 翻訳 上智大学出版)だった。 数年前に出版されたこの本を見かけたのは、長野県伊那市のヌサンタラキッチンというインドネシア料理店だった。先日、友人たちと連れ立って、横浜の黄金町から伊那市に移転した「たけうま書房」を訪ねた。 黄金町にあったたけうま書房ではライブをやらせてもらったり、アーチスト門馬則雄さんのライブペインティングで即興演奏をさせてもらったこともある。 お店をやっている稲垣篤哉さんに会うのも何年振りだったのかな。三階建ての元呉服屋を改装した建物の一階がお店で、上の部屋を住居にしているとのことだった。 降りしきる雨の中、稲垣さんに伊那の町を案内してもらったり、楽しい時間を過ごした。昼ごはんにしようと、教えてもらったのがヌサンタラキッチンだ った。伊那に来てインドネシア料理? と思ったのだがこれが大正解だった! ご飯、目玉焼き、ルンダンという牛肉のココナッツ煮、アヤムゴレン(鶏の唐揚げ)、とうもろこしのかき揚げ、茹で野菜などをサンバルという唐辛子のソースをつけて食べるナシチャンプルが美味しかった。 本の話題から外れてしまってすみません。 帰り際、お店の棚に置いてあった『珈琲の哲学』に気がついた。洒落た装丁の本で、そのときは買わずに帰ってしまったのだが、どうしても気になって東京にもどってから書店を探したが3年前の本は書棚に見つからず、しかたがなくポチりとした。 「珈琲の哲学」は、インドネシア現代文学を代表する女性作家ディー・レスタリの短編集で表題作「珈琲の哲学」をはじめ、さまざまな恋愛における人々の心の痛み、迷いを描いた18篇の短編小説、詩を収録している。 解説によると、本書に収められている短編小説や散文は、ディー・レスタリが作家としてデビュー以前、学生時代から書き溜めていたもので、だれかに読ませるための作品ではないとのことだった。ディー・レスタリは、学生時代から音楽活動をしていて「リダ・シデ・デヴィ(rida sita dewi)」という女性3人のバンドでデビューしていて、Spotifyで聴くことができる。 表題作の「珈琲の哲学」は、コーヒーショップを経営する青年2人の友情を描いた作品で学生時代に書かれた作品と解説に書かれていたが、なるほどそういわれればどこか文学の授業で書いた習作のような雰囲気を持っている。決して幼い文章ということではなく、初々しくてぼくには好ましく思えた。 物語の主人公は、至高のコーヒーを探求するひとりの青年ベン、そしてカフェの共同経営者としてベンを支えるジョディ。ベンは、世界中のカフェを訪ねてコーヒーの淹れ方を研究している。ベンの淹れるコーヒーは評判を呼び、ふたりが開いたカフェは多くの人々が訪れるようになった。 ある日、ベンは青年実業家に「成功とは、完璧な人生の姿である!」という名のコーヒーを飲みたいと注文を受ける。もしその珈琲を飲むことが出来たら 5千万ルピアを報酬として支払うという。 ベンはその挑戦を受け入れて、究極の珈琲を淹れるためにすべてを賭ける。 実業家はベンの淹れたコーヒーはある老人が淹れたコーヒーには及ばないといわれる。ベンは、真のコーヒーを求めて田舎の老人を訪ねるが……現代の寓話といったらいいのかな。 話の展開は、昔話を読んでいるような感覚になって楽しかった。でも、もし、これがインドネシアの話ではなかったら、ぼくはこの短編小説をこれほど好きになっていただろうかなあ、と考えた。ぼくがインドネシアに感じた空気、風があるからこの寓話のような物語が心をとらえたような気がする。 ぼくは、ワヤンという影絵芝居を通じて、インドネシア、ジャワが身近に思えるようになったのだが、ワヤンを教えてくれた日本ワヤン協会の松本亮さんの影響もあって、ジャワには生と死の境があいまいな場所のように思えるようになっていた。 ジャワの街は、ワヤンに登場する妖怪がどこかに潜んでいるような雰囲気がある。たとえそれがジャカルタのような近代的な大都市であっても、ビジネススーツを着込んだ人たちの雑踏の中にもスーッと妖怪たちがいっしょに歩いているのではないか、と。 ワヤンは伝統文化だけれども、現代の日常に溶け込んでいる芸能で、インドネシアの人びとは、だれもがどこかで影の世界があることを信じているような気がする。これは、ぼくの勝手な思い込みなのかもしれないが。 そういえば3回ほどジャワに行ったけれど、本格的なコーヒーを飲んだ記憶がないなあ。コーヒー豆は世界3位生産量があるのに、ぼくが行ったときはいわゆるコーヒーショップには行かなかった。まだサードウェーブコーヒーのブームは来ていなかったのか。ちなみに「珈琲の哲学」はジャカルタに実際にあるコーヒーショップという。いつか行ってみたいなあ。 『珈琲の哲学』は、2015年に映画化されて日本でも『珈琲哲學~恋と人生の味わい方~』というタイトルで公開されている。先日、たまたま上智大学で上映会があって見ることが出来た。映画の内容は小説をもとに若者二人の青春の葛藤、父と子の関係、恋愛、インドネシアのコーヒー事情などを盛り込んでいる。小説の味わいとはちがうけれど、懐かしい青春映画を見ているようで楽しかった。人気の映画だったようで第2作も作られたという話だった。 ジャワのコーヒーといえば、細かく挽いた豆をガラスのコップに入れてお湯を注いて、粉が沈んでから飲む。ノーシュガーと断らないと、お砂糖をたくさん入れて気絶しそうに甘い! 甘いのは紅茶でも同じなのだが、暑いせいかだんだんこの甘さに慣れてくる。なんでも糖尿病が増えて国から、砂糖を控えるようにお達しが出ていると聞いた。 ちっともおしゃれではないけれどジョグジャカルタで評判になっていた「炭コーヒー」を飲みにいったことがある。夜、日が落ちると駅の周囲にお祭りの縁日のように露店が並んでいた。そこに炭コーヒーの屋台が出ていて、挽いたコーヒー豆にお湯を注ぐまでは同じだが、そこに焼けた炭を放り込むのだ。 ガラスコップに入ったコーヒーに炭が入るとジュッと音がする。それから炭を取り出して、わたしてくれる。コーヒーの雑味が消えて美味しくなるという評判だった。歩道に座り込んでガラスコップに入ったコーヒーをすする。たしかに美味しかった……か、どうかはよく覚えていないなあ。 ぼくは、サードウェーブのコーヒーより炭コーヒーのほうが好きかもしれない。 最近、韓国や台湾の小説がたくさん翻訳されるようになって、アジアの現代文学が読まれるようになってきたけれど、インドネシアの文学も読んでみたい ![]() なあ。
by kyotakyotak
| 2024-07-26 21:27
| 本
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